
株式会社帝国データバンクは、「喫茶店(カフェ)」の倒産発生状況について、調査・分析を行った。
厳しさを増す、喫茶店のコスト環境
それによると、2024年度(2024年4月~2025年3月)に発生した「喫茶店(カフェ)」の倒産(負債1,000万円以上、法的整理)は、2月までに66件発生した。
前年度から1.5倍に急増した23年度通年(68件)を上回るペースで推移しており、年度累計でも2018年度(73件)を上回る可能性がある。倒産した喫茶店のうち8割以上が、資本金1,000万円未満の中小零細店だった。
足元では、カフェの需要は徐々に回復している。家計調査などを基に、1世帯(二人以上)のコーヒー「購入杯数」を推計すると、24年度(1月まで)は1カ月当たり平均1.8杯となり、コロナ禍前の水準に回復した。
こうした状況にも関わらず、喫茶店の倒産が相次ぐ背景には、原材料価格に加え、人件費など店舗運営コストの上昇が大きく影響した。
2023年度の喫茶店における損益状況をみると、4割が赤字となったほか、「減益」を含めた「業績悪化」の割合は7割にのぼり、過去最大だったコロナ禍の2020年度(82.6%)に次ぐ規模となった。
コーヒー豆以外にも、電気・ガス代、アルバイトなどの人件費といったコストに加え、都市部ではテナント料なども上昇しており、喫茶店のコスト環境は厳しさを増している。
(坂土直隆)