2023年度(4-3月)に「税金滞納(社会保険料を含む)」に起因する倒産が82件(前年度比241.6%増)と、前年度の3.4倍に急増、コロナ禍後で最多を記録したことがわかった。
~2023年度「税金滞納」倒産~
コロナ禍では、資金繰り支援の一つとして納税猶予が認められた。だが、経済活動が平時に戻り、通常の納税体制になっても、納税できない企業が少なくない。こうした税金滞納が一因となって、大企業から中小・零細企業まで倒産に追い込まれるケースが増加している。
このため、資金繰りに余裕を欠く企業は税金納付に資金を回せず、その結果、滞納で債権や資産の差し押さえを受け、事業継続が困難になる。特に、社会保険料は労使折半で負担しており、徴収が厳しいとの声もあるが、徴収にあたっては企業に寄り添った支援も必要だろう。
産業別は、10産業のうち、金融・保険業を除く9産業で前年度を上回った。最多がサービス業他の22件(前年度比175.0%増)で、3年連続で前年度を上回った。
負債額別は、1億円以上が44件(前年度比266.6%増)で、2年連続で前年度を上回った。負債1億円未満は、全国企業倒産(年度)では7割以上(構成比74.2%)を占めるが、「税金滞納」倒産では半数に満たず、負債額レンジに偏りは見られなかった。