帝国データバンクは、人手不足倒産の動向調査(2023年度)を行った。
2019年度の199件を大きく上回り、過去最多を大幅に更新
それによると、2023年度の人手不足倒産は313件となり、前年度の146件から倍増。統計として遡れる2013年度以降でこれまで最も多かった。新型コロナ感染拡大前である2019年度の199件を大きく上回り、過去最多を大幅に更新した。
全313件のうち、4社に3社にあたる232件が従業員「10人未満」の小規模事業者だった。従業員の退職によって代替人材を補填できないことや、資格を持つキーマンの不在などによって従来の業務が困難となる。外注依存が高まり収益が圧迫され、資金繰りに支障が出るケースも多い。
業歴別では、創業・設立から「30年以上」の企業が119件で、全体の4割を占める。なかには業歴100年以上の老舗も含まれていた。
懸念されてきた「2024年問題」が到来した。帝国データバンクは、労働環境の改善に向けて長時間労働を是正し、働きやすい職場を整えるものだが、従業員の増員が難しいなかで生産性向上などに対応しきれず、労働時間が削られれば、人手不足は一層の深刻化が予想されると分析している。
(坂土直隆)