帝国データバンクは、「医療機関」の倒産発生状況について調査・分析を行った。
「医療機関」倒産動向―全国企業倒産集計2024年1月報
2023年の医療機関(病院・診療所・歯科医院)の倒産は41件となり、2年連続で40件を超えた。2000年以降でみると、2009年(52件)、2007年(48件)、2019年(45件)に次ぐ高水準。
負債総額は253億7,200万円となり、過去10年で最大となった。病院として過去3番目の負債規模となった医療法人社団心和会(千葉、4月民事再生法、負債132億円)や、歯科医院として過去最大の負債となった医療法人社団友伸會(東京、9月民事再生法、負債37億円)が全体を大きく押し上げた。
業態別にみると、「病院」が3件(負債147億1,900万円)、「診療所」が23件(同55億9,700万円)、「歯科医院」が15件(同50億5,600万円)となり、「診療所」は2009年(27件)、「歯科医院」は2018年(23件)、2022年(16件)に次いで多かった。
2024年の医療機関の倒産は、引き続き高水準で推移することが予想される。特に、診療所は経営者の高齢化や健康問題を理由に事業継続を断念する施設が増加する中で、過剰債務などを理由として廃業ではなく、法的整理を選択するケースが増える可能性がある。
<調査結果(要旨)>
2年連続で40件超え、今後は診療所の動向に注目。病院、歯科医院で大型倒産が発生、負債総額は過去10年で最大に。
集計期間:2024年1月31日まで
集計対象:負債1,000万円以上法的整理による倒産、および休
廃業・解散となった企業
調査機関:株式会社帝国データバンク