帝国データバンクでは、これまで2022年7月、8月、12月、2023年1月と、ゾンビ企業の実態をレポートしてきた。今回は、2022年度のデータをもとに、最新動向をまとめた。
上昇率は、調査開始の2007年度以降で最も大きい
ここでは、国際決済銀行(BIS)が定める「ゾンビ企業」の基準である「3年連続でインタレスト・カバレッジ・レシオ(ICR)が1未満、かつ設立10年以上」の定義に基づき、2022年度のゾンビ企業率を算出した。
帝国データバンクが保有する企業財務データベース「COSMOS1」(2023年11月末時点)において、2022年度の財務データが判明している「3年連続でICRが判明、かつ設立10年以上」の企業は10万1,478社あった。
このうち、「3年連続でICRが1未満、かつ設立10年以上」の企業は1万7,387社を数え、この2つの数値をもとにゾンビ企業率を算出すると、17.1%にのぼることが判明した。
2007年度以降のゾンビ企業率の推移をみると、2019年度の10.0%から、コロナ禍で上昇傾向を示していることが分かる。2020年度は11.6%、2021年度は13.5%となり、さらに直近1年で3.6ポイント上昇した。上昇率は、調査開始の2007年度以降で最も大きかった。
調査対象:3年連続でICRが1未満、かつ設立10年以上の企業
(ゾンビ企業)
調査期間:2023年11月時点まで
調査機関:株式会社帝国データバンク
(坂土直隆)