帝国データバンクでは、外部環境の変化を受け、特に倒産件数が増加している業種に着目し、コロナ禍前後の信用リスク変化について分析した。
「飲食店」の倒産は、2022年(452件)から1.7倍に急増
それによると、コロナ禍や人手不足、物価高の影響を受けた「飲食店」の倒産は768件発生し、過去10年で最も少なかった2022年(452件)から1.7倍に急増した。
また、2019年~2023年(各年12月時点)における信用リスクのグレード分布から、G(グレード)1~G10に該当する企業のうち、1年以内に倒産する確率が特に高いG8以上の企業割合に着目して分析した。
その結果、算出可能な企業145万社におけるG8以上の割合では、2019年:7.8%→2023年:8.7%と0.9ptの増加であった。
2023年におけるG8以上の構成比を業種別にみると、分析対象の49業種中12業種で20%を超えていた。2019年と2023年の信用リスクを比較し、特に高リスク企業の割合が上昇した上位3業種は、「飲食店」「飲食料品小売」「運輸業」が該当した。
いずれも人手不足や原材料価格高騰などの影響を受けている業種であり、2019年と比べるとG8以上の割合は約3倍に増えていることが判明した。
(坂土直隆)