帝国データバンクは、「粉飾」、過積載や産地偽装などの「業法違反」、所得・資産の隠蔽などの「脱税」などのコンプライアンス違反が取材により判明した企業の倒産を、「コンプライアンス違反倒産(コンプラ違反倒産)」と定義。2022年度の同倒産(法的整理のみ、負債1,000万円以上)について分析した。
コンプラ違反が明らかになり、信用を失うケースが散見される
それによると、2022年度のコンプライアンス違反倒産は300件と、前年度から96件(147.1%)増加し、2年連続で前年度を上回った。また、これまで最多であった2015年度の289件を上回り、2005年4月の集計開始以来、最も多くなった。
これまでピークであった2015年度以降、コンプラ違反倒産は、緩やかな減少傾向を示していた。特に2020年は、コロナ対策の給付金やゼロゼロ融資など、各種支援策が企業に幅広く行き渡り、一時的に倒産が抑制されたことで、コンプラ違反による企業の倒産が表面化しづらくなっていたとみられる。
しかし、新型コロナが収束に向かい、全体の倒産件数が上向いてきているなかで、コンプラ違反が明らかになり、信用を失うケースが散見されるようになった。
集計期間:2005年4月~2023年3月31日
集計対象:負債1000万円以上法的整理による倒産
調査機関:帝国データバンク
(坂土直隆)