帝国データバンクは、2020年2月以降のコロナ禍に創業した新興企業の倒産動向について、調査・分析を行った。
2月までの倒産は、2022年度累計で220件発生、21年度から3倍超に
コロナ禍に「創業」した新興企業の倒産が急増している。国内で新型コロナウイルスの感染拡大した2020年2月以降に創業した新興企業の倒産は、累計で294件発生した。
このうち、2月までの2022年度累計は220件発生し、21年度(67件)から3倍超に急増した。
20年2月以降の倒産件数累計(約2万600件)では、約1.4%の割合にとどまるものの、コロナ禍に創業した業歴の浅いアーリーステージ段階の企業で、倒産が増加している。平均業歴は1.8年にとどまり、創業から2年未満で事業を終える「短命」倒産が多かった。
業種別にみると、最も多いのが老人福祉事業で、全体の8.8%を占めた。多くが、競争が激しいデイサービスやショートステイなど通所型介護事業で、参入障壁が比較的低く事業規模が小さい企業の倒産だった。
老人福祉事業では、コロナ禍で介護報酬の加算など国の支援も行われたものの、他方で感染を懸念した利用の手控えといった動きもあり、参入計画の段階で準備不足が否めないケースが多くみられた。
(坂土直隆)