帝国データバンクは、2022年10月の倒産増加要因について調査分析を行った。
コロナ禍以降では最長となる、6カ月連続での増加
それによると、コロナ禍後、初の倒産増勢局面を迎えているという。今年10月の倒産件数は、前年同月の512件を上回る594件発生し、コロナ禍以降では最長となる6カ月連続での増加となった。
600~700件台で推移していたコロナ前の水準に比べれば依然として少ないものの、コロナ関連融資をはじめ各種の支援によって減少が続いた企業倒産は、一転して増加基調が鮮明となっている。
特に、倒産件数の増加幅では、前年同月から82件の増加となった。過去10年(120カ月)では8番目の多さ、10月単月の増加幅としては、リーマン・ショック直後の2008年10月(前年同月+148件)以来、14年ぶりの高水準となった。
2008年10月は、大手ゼネコンやマンション開発など建設・不動産業界の倒産が急増。「製造業」(+41件)も急激な内外需の縮小と円高進行で急増した。
一方、今年10月は減少した前年の反動増の側面がある一方、「物価高」「円安」「人手不足」のトリプルパンチで、特に原材料の大幅な値上がりが続く食品関係の業種が増加した。
(坂土直隆)