帝国データバンクは、同社の企業財務データベース「COSMOS1」から、ゾンビ企業1万2,037社を抽出、ゾンビ企業率は11.3%、ゾンビ企業数は企業概要データベース「COSMOS2」によって全国16.5万社と推計した。
「東北」については、東日本大震災からの復興に伴う資金繰り支援策や、返済猶予措置が背景にあり
ゾンビ企業率を地域別にみると、最も高いのは「東北」の16.0%だった。
全国平均の11.3%に対して、4.7ポイント高い。次いで、「中国」の13.3%となっている。
同社では、「東北」については、東日本大震災からの復興に伴う資金繰り支援策や返済猶予措置などがあり、他地域に比べ借入負担が増加していることが背景にあると、みられるという。
また、これら支援措置の実施以降、抜本的な収益面の改善に至っていないことも理由といえるだろう。 金融支援は、あくまで延命措置であり、支援期間内で収益構造の見直しが進まなければ、必然的にゾンビ企業となる可能性があると、分析している。
推計後の総論として、ゾンビ企業は、現時点では辛うじて資産超過を維持できている状況であり、このまま債務超過に転じれば倒産リスクも極めて高くなる。
いずれにしても、ドラスティックな早期の立て直しを実行しない限り、国内のゾンビ企業はポスト・コロナの局面において増加を続ける可能性が高い、と分析「している。
(坂土直隆)