東京商工リサーチは、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円未満を含む)が8月2日(火)、全国で累計4,000件(倒産3,850件、弁護士一任・準備中150件)に達したと発表した。
1,000社に1社が破たん
同社の調査によると、2020年2月25日、第1号が判明してから約1年後の2021年2月に1,000件、同年8月に2,000件、今年3月に3,000件に達した。
第1号判明から3,000件まで約2年だったが、3,000件から4,000件までは約150日で到達した。単純計算では1日約4.5件のコロナ破たんが発生している。
また、国内の企業数(358万9,333社、2016年総務省「経済センサス」)を基にした比率では、コロナ破たん率は0.111%で、1,000社に1社が破たんした計算となる。
都道府県別で最も比率が高いのは、東京都の0.203%で、唯一の0.2%台、一方最低は、宮崎県の0.040%で、地域間での格差がみられる。
一方、これまでコロナ関連融資などに依存して資金繰りを繋いできた中小企業にとって、本業の立て直しとともに、新たな運転資金の確保が、経営課題として浮上している。
据え置き期間が終了し、コロナ関連融資の返済も本格化するなか、返済のめどが立たずに行き詰まるケースが増加している。こうした企業の息切れが、コロナ破たんを押し上げる可能性が高まっており、「中小企業活性化パッケージ」の各施策など、企業支援の実効的な運用が急がれる、と分析している。
(坂土直隆)