帝国データバンクの調査によると、新型コロナウイルスの影響を受けた倒産(法的整理または法的整理を前提とした事業停止、負債1,000万円未満および個人事業者含む、銀行取引停止処分は除外)が全国で3,000件に達した。
都道府県別では「東京都」が最多
1億円未満の小規模倒産が1,755件(構成比58.5件)を占め、業種別では「飲食店」、都道府県別では「東京都」が最多となっている。
業種別では「飲食店」が481件で最も多く、「建設・工事業」(341件)、「食品卸」(153件)、「ホテル・旅館」(131件)が続く。
また、ホテル・旅館のほか、旅行代理店、観光バス、レンタカー、土産物店などを含めた観光関連事業者の倒産は248件発生しており、観光関連事業者と飲食店と合わせると729件となり、全体の24.3%を占めている。
コロナ禍となって2年が経過した。多くの中小企業がコロナ対策融資(ゼロゼロ融資)を受けて難局を乗り越えてきたが、いまだ収束の見通しは立たず、引き続き経営環境は流動的なままだ。そうしたなか、据置期間を終え、コロナ対策融資の返済がはじまる中小企業が日々増え続けている。
帝国データバンクの調査では、同融資を受けたうち9.0%にあたる企業が「返済に不安」を感じていると回答した。今後も続くコロナ禍において、返済に不安を感じる企業が増え続ければ、コロナ関連倒産の発生ペースはさらに加速していく可能性があると、同社では分析している。
(坂土直隆)