帝国データバンクは、2021年の企業の休廃業・解散件数及び2022年の展望について調査を行った。
廃業件数、コロナ前から最大6,000件減 2年連続の前年比減少へ
2021年1-11月に、全国で「休廃業・解散」(以下「廃業」)が判明した企業(全国・全業種、個人事業主を含む)は5万448件(前年同期比3.0%減)を数えた。
2020年に続き、11月時点で5万件を超えたものの、年間ではコロナ前の19年(5万9,225件)を最大で6,000件程度下回る5万3,000~5,000件前後にとどまり、2年連続での減少が確実となる。ただ、本業不振などに起因する赤字廃業の割合は前年から高まり、その内容には変化がみられる。
2021年前半は前年に続き、新型コロナウイルスの感染拡大、緊急事態宣言の発出などで国内外の経済活動が収縮した。その後は人流の回復など景況感は回復の兆しがみられたが、飲食店や観光関連産業では厳しい経営環境が続き、小規模事業者を中心に「あきらめ型」の廃業が増える懸念があった。
しかし、政府による中小企業への迅速な資金供給策、いわゆる「ゼロゼロ融資」をはじめ資金調達環境が良好であったことが功を奏したと、帝国データバンクでは分析している。
(慶尾六郎)