新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大の影響を受けた2020年度。アパレル業界は百貨店の売り上げ不振や暖冬の影響で低調に推移するなか、2020年4月に緊急事態宣言が発出され多くの企業で休業や営業短縮が行われ、外出自粛による客足減少のダメージを大きく受けた結果となった。
秋にはGo Toキャンペーンの影響で回復の兆しもあったが、再び感染拡大が広がり厳しい状況を強いられた。今回帝国データバンクでは、上場アパレル業者45社のうち、2020年度の売上高を調査した。
スーツ・フォーマルウェアが苦戦
上場アパレル企業45社の2020年度の決算をみると、2020年5月~12月に決算を迎えた企業は12社(5月期1社、6月期1社、8月期6社、9月期1社、12月期3社)だった。
2021年1月~3月に決算を迎えた企業は33社(1月期1社、2月期17社、3月期15社)だった。約7割が2月と3月に決算を迎えた。
売上高について、2020年度増収となった企業は8社(構成比17.8%)に対し、減収は37社(同82.2%)にのぼった。新型コロナウイルス感染拡大の影響による客足減少を主要因として8割超が減収となった。
増収企業をみると、8社のうち増加の幅は10%~20%未満が2社、10%未満が6社。ワーキングウェアや作業服を扱い、新業態「#ワークマン女子」で話題となったワークマン、子供服のほかベビー用生活必需品や育児用品を取り扱う西松屋チェーンが10%以上増加幅した。
減収企業をみると、37社のうち減少の幅は10%未満が7社、10%~20%未満が8社、20%~30%未満が17社、30%以上が5社となった。三陽商会、ラピーヌ、銀座山形屋、タカキュー、東京ソワールが30%以上減少。スーツ・フォーマルウェアが苦戦した。
(慶尾六郎)