新型コロナウイルス感染拡大の影響により、多くの業界、企業がダメージを受けるなか、その余波が広告業界にも及んでいる。
帝国データバンクの調査によると、2020年の広告関連業者の倒産件数は、9月末までに108件。負債総額は67億100万円となった。
4年連続で前年を上回る可能性も
経済産業省発表の『特定サービス産業動態統計調査』では、4月~6月の広告業売上高の合計は約1兆303億円となり、前年同期から24.4%の落ち込みを見せている。
広告関連業界は2019年まで3年連続で倒産件数が増加しており、新型コロナウイルスがこの先どのように影響を与えるのか、倒産件数推移への注目度は高い。
2020年の上半期(1月~6月)は73件となり、前年同期(65件)を上回るペースで推移、 その後は件数が落ち着いたものの、2019年の1月~9月累計の107件をわずかに上回っている。
広告関連業者の倒産は、リーマン・ショックの翌年、2009年の258件をピークに減少が続き、 2014年には200件を下回った。
その後も減少し、2016年には114件と低水準を記録したが、その後は増加に転じて、2019年まで3年連続で前年を上回っている。10月以降の動向によるものの、前年を上回り4年連続で増加する可能性があると予測している。 (慶尾六郎)