株式会社帝国データバンクは、「米作農」の倒産・休廃業解散動向について、調査・分析を行った。
初の年間40件台到達も想定
それによると、2024年1-8月に発生した米作農業(コメ農家)の倒産(負債1,000万円以上、法的整理)が6件、休廃業・解散(廃業)が28件発生し、計34件が生産現場から消滅した。
倒産・廃業の件数は、3年通年の件数(35件)を大幅に上回って、年間最多が確実で、初の年間40件台到達も想定される。
主食用のコメを生産するコメ農家で倒産や廃業が相次ぐ背景には、生産コストの上昇と深刻な後継者・就農者不足があげられる。農林水産省の調査によると、2023年における農業に必要な生産資材の価格は、20年平均に比べて1.2倍に上昇した。
他方で、国内の主食用米の消費量減少などを背景に、販売価格への転嫁が難しく、利益が残らないことで、翌年の苗床やトラクターなどの機材調達費用が捻出できず、コメづくりを断念するケースも多かったとみられる。
また、帝国データバンクによると、小規模なコメ農家では就農者の高齢化や離農が進む一方、次世代の担い手が見つからないなど、後継者不足の問題が顕在化しているという。
【調査概要】
集計期間:8月31日まで
集計対象:負債1,000万円以上法的整理による倒産
調査機関:株式会社帝国データバンク
※調査結果は、下記ホームページにも掲載予定
https://www.tdb.co.jp/report/index.html (坂土直隆)