帝国データバンクは、新型コロナ関連融資に関する現在の状況や返済見通しなどについて、調査を実施した。調査は、TDB景気動向調査2024年8月調査とともに行った。
「すでに全額返済」した企業は14.3%
それによると、新型コロナ関連融資について、「借りていない」企業は44.9%だった一方、「現在借りている」企業は38.1%となった。「すでに全額返済」した企業は14.3%だった。
新型コロナ関連融資を「現在借りている」企業のうち、2024年8月時点で返済が『3割未満』の企業は36.7%、「未返済や今後返済開始」の企業は6.6%だった。一方で、融資の『5割以上』を返済していたのは34.3%となった。
2024年2月時点と比較すると、『5割以上』返済している企業は4.8ポイント、『3割~5割未満』は3.5ポイント増加していた。一方で、「未返済や今後返済開始」は3.9ポイント減少しており、新型コロナ関連融資の返済は、着実に進んでいることがわかった。
企業からは、
「コロナ関連融資の返済期間はもっと伸ばすべきだが、企業はそれに甘えることなく、返済計画を立てる必要がある」(一般土木建築工事)
「コロナ関連融資により、小規模協力会社の財務体力が落ちており、そちらへのフォローが必要」(一般貨物自動車運送)
といった声が聞かれた。
(坂土直隆)