株式会社帝国データバンクは、消費税や固定資産税などの各種「税金(公租・租税)」、厚生年金保険や健康保険などの「社会保険料(公課)」について納付ができない、または滞納状態が続いたことで自社の資産等を差し押さえられ経営に行き詰まった企業の倒産=公租公課滞納倒産の発生状況について調査を行った。
「公租公課滞納」倒産は、4年間で272件判明
社会保険料や税金など「公租公課」の滞納が要因となった企業の倒産が増加している。
多額に上る公租公課の滞納や延滞金の未納により、自社の預金口座や土地など資産を差し押さえられ、経営に行き詰まった「公租公課滞納」倒産は、2020年から23年の4年間で272件判明した。
このうち、23年1-11月における発生は111件となり、全体の約4割を占めた。22年通年の74件から1.5倍に増加したほか、支払いが猶予されていたコロナ禍の20年(35件)からは3倍超に増えた。
滞納した公租公課の区分では、特に企業業績が赤字であっても毎月支払う義務が生じる、厚生年金保険などの社会保険料の滞納が原因となったケースが目立った。
調査期間:2020年~2023年11月末時点
調査機関:株式会社帝国データバンク
(坂土直隆)