帝国データバンクが7月に実施したアンケート調査によれば、円安による企業へのマイナスの影響・理由として、「原材料価格の上昇でコスト負担が増えた」「燃料・エネルギー価格の上昇でコスト負担が増えた」と回答した企業が、それぞれ全体の7~8割に達した。
「繊維・繊維製品・服飾品卸売」では、9割超の企業でコスト増の負担を実感
現在の円安傾向により、自社の企業活動にどのような影響を与えているか尋ねたところ、仕入れ価格上昇、燃料費や光熱費上昇など「コストの増加」が77.7%と、約8割に達した(複数回答、以下同)。
業界別にみると、『卸売』が85.1%で最も高く、次いで『製造』(83.7%)、『運輸・倉庫』(83.2%)、『小売』(81.2%)が8割を超えた。
とりわけ、『卸売』のなかで、アパレル製品を取り扱う「繊維・繊維製品・服飾品卸売」(93.8%)では、9割超の企業でコスト増の負担を実感している。
企業からも、「急激な円安進行のため、販売先への価格転嫁が難しく仕入れ先とのコスト調整が可能かどうか交渉中」(男子服卸売)や「大手通販に衣料を卸しているが、価格転嫁が全く進まない」(婦人・子供服卸売)といった、厳しい声が聞かれた。
(坂土直隆)