帝国データバンクは、2021年度上半期(4-9月)における負債1000万円以上の法的整理について集計を行った。
1966年度以来55年ぶりの3,000件割れと記録的な低水準
それによると、2021年度上半期の倒産件数は2,938件(前年同期3,956件、前年同期比25.7%減)となった。
2000年度以降では最少、1999年度以前と比較しても、1966年度以来55年ぶりの3,000件割れと記録的な低水準となった。四半期別では、第1四半期は前年同期から19.7%減、第2四半期は31.0%減と、大幅な減少率を記録した。
なお、上場企業による倒産は発生しなかった。
同社では、この要因について以下のように分析している。
「持続化給付金など政府による事実上の資本注入策に加え、各金融機関による無利子・無担保融資、既存融資のモラトリアム対応など、考えうる金融支援を総動員した万全の資金繰り対策が行われた。
このことで業種を問わず経営不振に陥った多くの中小零細企業が、「手元資金の枯渇」という最悪の事態を回避し続けていることも、法的整理としての倒産発生を大きく抑え込んだ要因となった。」
(慶尾六郎)