株式会社帝国データバンクは、全国象2万3,686社を対象に2020年11月の国内景気動向を調査・集計し、景気DIとして発表した。
2020年11月の動向 : 持ち直し
11月の国内景気は、株価が29年半ぶりの高値を更新したほか、各種施策による人の移動が活発化したことなどで観光関連を中心に持ち直しの動きが継続した。また、企業の設備稼働率や生産・出荷量が上向いてきたことなどもプラス要因となった。
さらに、自宅内消費やIT投資などは引き続き活発だった。しかし、新型コロナウイルスの感染者数が再び拡大してきたなかで、一部地域で各種施策の一時停止や自粛要請が出されるなど、景況感は下旬にかけて徐々に鈍化した。
国内景気は、下旬にかけてやや鈍化したものの、緩やかな持ち直しが継続した。
今後の見通し : 一時停滞するも緩やかな上向き
今後1年程度の国内景気は、新型コロナウイルスの感染拡大防止と経済活動再開のバランスが左右することになろう。年明け以降は足元の感染再拡大への対応による自粛要請の強化で、経済活動が抑制される可能性がある。
また、冬季賞与の減額や雇用環境の悪化などで消費者の節約志向が高まることも懸念材料である。
他方、新しい生活様式に対応した需要の創出が期待されるほか、5Gの本格的普及や訪日客受け入れ再開などはプラス要因となろう。また、ワクチン開発の進展も期待される。
今後の景気は、足元の感染再拡大への対応にともなう下振れリスクを抱えながらも、緩やかに上向いていくと見込まれる。