与信管理ASPクラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社は、「2020年2月~6月における倒産企業分析」調査結果を発表した。
最も倒産が多い業種は「宿泊業」
2020年2月~6月における倒産企業について業種別に集計したところ、最も倒産が多い業種は「宿泊業」(13.8%)であり、次いで「飲食店」(13.5%)、「アパレル関連業」(11.6%)、「食料品製造業」(8.0%)の順となった。
今年4月7日の「緊急事態宣言」発出に伴い、外出自粛の影響を受けた業種や、営業自粛を余儀なくされた業種において倒産件数が多いことが結果として表れていると同社では分析している。
また、企業は資金繰りが行き詰まらないように、一定の現金や普通預金を手元資金として保有しておく必要がある。月商に対する現金や預金の保有割合を「現預金月商比」といい、短期的な安全性を図る指標として、一般的には1か月以上あることが望ましい水準といえるとしている。
取引条件の見直しやリスク管理の強化が必要
この調査の結果を同社では次のように分析している。
「緊急事態宣言は解除されたものの、その影響は続いており、今後もこれらに関連する倒産は増加する可能性が高いことから、取引を安全に行うために、取引条件の見直しや与信管理ルールの構築によるリスク管理を強化することが必要。
事業規模等の面では、今までは倒産に至りにくかった企業においても倒産しやすい状況にあり、現金保有の面では、従来と同様に重要度が高いことが確認できた。
また、詳細な決算情報を保有していない場合においても、過去の利益水準から現在の内部留保度合いを推測することで財務体力を計ることができる点も、今後の企業倒産の予見に有効と考える」。
[実施概要]
調査名称:「新型コロナウイルス関連倒産」調査
調査方法:同社独自手法による倒産企業分析
調査対象企業:2020年2月1日~6月23日の期間で同社が独自に集計した倒産企業275社 (慶尾六郎)