アパレル業界が危ない。老舗大手のレナウンの倒産は記憶に新しいところだが、帝国データバンクの調査によると、2020年8月は調査対象の8割が売り上げが前年同期を下回っている。
コロナ禍に加え酷暑が客足減に追い打ち
同社によると、集計対象24社のうち、2020年8月の月次売上高が全店ベースで前年同月(2019年8月)を下回ったのは19社(構成比 79.2%)、上回ったのは5社(同 20.8%)。
酷暑による客足の低下や、新たな生活様式下における外出機会の減少などマイナス要因があるなか、約8割の企業において前年同月を下回った。
一方、前年同月を上回ったのはファーストリテイリング、ワークマン、西松屋チェーン、コックス、TOKYO BASEだった。
7月分における前年同月比よりも悪化する数値となった。また、前年同月比の減少幅が 10%以上だった企業の社数が、6月は 7 社、7月が16社となるなか、8月は18社となった。
各社がインターネット通販を活用するなど、さまざまな販売手法を模索しているものの、売上高維持の難しさに直面する企業もみられるとしている。
この調査は、帝国データバンクがアパレルを中心とした衣服類販売を手がける上場企業(または上場グループ中核企業)のうち、HPなどで月次売上高をリリースしている24社について、2020年8月分の全店実績を集計し、分析したもの。
※グラフと表は帝国データバンク作成
(慶尾六郎)