新規感染者数の最多更新など新型コロナウイルスの感染再拡大による経済活動の停滞が懸念されている。また、政府は、雇用の維持や事業継続、地域の活性化に資する需要喚起策など緊急経済対策を進めている。
帝国データバンクは、新型コロナウイルス感染症に対する企業の見解について調査を実施した。調査は、TDB景気動向調査2020年7月調査とともに行った。
若干減少しつつある「マイナス影響の懸念」
それによると、新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響、『マイナスの影響がある』と見込む企業は82.7%となり、3カ月連続で減少した。
内訳をみると、「既にマイナスの影響がある」(68.4%)が前月から1.8ポイント増加し7割近くにのぼった。
また、「今後マイナスの影響がある」(14.3%)は3.6ポイント減少し2カ月連続で1割台となった。
最も『マイナスの影響がある』のは『運輸・倉庫』業界
『マイナスの影響がある』を業界別にみると、『運輸・倉庫』が87.5%で最も高い。
次いで、『製造』(85.7%)、『不動産』(85.0%)となった。業種別では、「旅館・ホテル」が97.0%で最も高く、5カ月連続で95%以上の企業がマイナスの影響を見込んでいた。以下、「娯楽サービス」(96.8%)、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」(94.1%)が続いた。
一方、『プラスの影響がある』は、スーパーマーケットなどの「各種商品小売」が38.1%で最も高く、4割近くにのぼった。次いで、「飲食料品小売」(17.1%)、「家具類小売」(13.3%)が続いた。
7月の売り上げ見込みは、前年同月比で平均85.4%となった。減少を見込む企業は約3社に2社となり、特に前年同月比で1~20%の減少とみる企業が3割超で集中した。他方、増加を見込む企業は1割程度となり、横ばいは17.4%であった。
(慶尾六郎)