パチンコ依存になる女性たち
依存症とは、WHOの専門部会が提唱した概念で、精神に作用する化学物質の摂取や、ある種の快感や高揚感を伴う特定の行為を繰り返し行った結果、それらの刺激を求める抑えがたい欲求が生じ、その刺激を追い求める行動が優位となり、その刺激がないと不快な精神的・身体的症状を生じる精神的・身体的・行動的状態のことである。依存症も多種多様で、ニコチン依存症・薬物依存症・アルコール依存症・インターネット依存症など様々である。
その中で、女性のギャンブル依存症が今、社会問題となっている。ギャンブル依存症の女性は全国で約75万人。ほとんどがパチンコやパチスロで、年間600万円の借金をした主婦もいるという。
日頃のストレスを晴らすため、200円の資金で5万円を手にした事がきっかけでギャンブル依存症になった主婦は、パチンコ店に通う頻度は最初月2回から週3回に増え、やがて消費者金融に頼り、夫の工場の資金まで持ち出して「気が付けば借金が600万円。それでも止められませんでした」と依存症の恐ろしさを語った。
精神科医の岩崎正人氏は「ギャンブル依存症はアルコール依存症と同じく病気です。しかも男性よりも女性の方が一気に嵌る人が多い」と警告している。アメリカの精神医学会の判断基準によれば、次の10の質問のうち5項目で当て嵌まればギャンブル依存症だという。
(1)イヤな事があるたびに行く
(2)ギャンブルが頭から離れない
(3)ギャンブルをしていないとイライラする
(4)止めようとするができない
(5)賭け金が増えてゆく
(6)損をギャンブルで取り返そうとする
(7)仕事や人間関係に影響が出る
(8)ギャンブルの為に嘘をつく
(9)他人の金に手を出す
(10)資金を得る為に違法行為をする
いくらパチンコが射幸心を煽るとしても、誰もが依存症になるとは限らない。例えると、毎月10万くらい負けてもその人が娯楽に使えるお金が20万30万あれば依存症にはならない。つまり、金額に関係なく娯楽の範疇にあれば病的にハマることはないのだ。しかし、上記のように娯楽の範囲を超えてしまうともう依存しているといっても過言ではないのだ。
「パチンコの負けはパチンコで取り返す」と、パチンコに依存している人からよく聞かれる言葉だが、例えそれで大勝ちしてもモノを買うなり家計に入れてしまえばいいのだが、サイフが分厚いと気分もおおらかになって多少の負けにも気前良くなってしまう。結局、大勝したお金は一時的に手に入れただけに過ぎないことが数日後に連敗というカタチで証明されてしまうことが多々ある。後から後悔してもまた、その負けを取り戻そうとパチンコに行ってしまい、負のスパイラルとなってしまう。
パチンコで本当に勝ち続けることができるのならば、パチンコ屋はあんなにたくさん店舗があるわけがないし、ネオンも煌びやかではない。毎回大物芸能人とコラボした台の投入もできないだろう。トータルで勝ち続ける人はほんの一握りにすぎないのだ。
しかし、人の娯楽、趣味は様々である。一概にギャンブルがダメだというわけではない。いかにして、ストレスを発散し、趣味の範囲で抑えながら楽しく遊ぶか。そういう自分の懐と相談しながら生活に影響が出ない範囲で楽しく遊ぶ心意気が大切なのである。
ギャンブル依存症